2019年1月5日

タクシー・ドライバー


Scene from the movie 'Taxi Driver' dir by Martin Scorsese (1976) 
「タクシー・ドライバー」

もう10年ほど前、NHKの英語番組に、アメリカのテレビドラマ『プリズン・ブレイク』の悪役の俳優が出演してインタビューに答えていた。
その時の彼の答えが印象に残っている。

ロバート・デ・ニーロが、「悪役をやる時に気をつけていることは?」と訊かれたときに答えたという言葉を引用していた。

「俺は「悪人」を演じてるんじゃない。「人とは違う選択をする人間」を演じているんだ」

『タクシー・ドライバー』(1976年)は時々思い出したように観たくなる映画だ。なによりも「映像」が美しい。ちょうどヴィスコンティの『ベニスに死す』(1971年)やヴィクトール・エリセの『エル・スール』(1983年)のような、映像の美しさに息をのみ胸をつかれる映画。

ニューヨークの美しさを描き出した映画は幾つもあるが、例えばウディー・アレンのモノクロ作品『マンハッタン』(1979年)よりも、このカラー・フィルムの方が数倍美しい。

この時代、このキャスト、この監督、このカメラマンだからこその映画で、仮に今、この作品をリメイクしようとしても無惨な結果に終わるだろう。
ちょうど山田洋次が小津の『東京物語』(1953年)を60年後にリメイクして大失敗したように。


Gloomy Sunday - Mel Torme (1958)

「暗い日曜日」- メル・トーメ







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