2020年8月21日

沈黙の中で「ただ待つ」ということ


Waiting Chair, Iceland 2017, Cara Weston


エドワード・ウェストンの孫、カーラ・ウェストンの「ウェイティング・チェア」。
この場合のウェイティング・チェアとは、「ウェイティング・ルーム」(待合室)と同じ意味だろう。
けれども、この写真を観ていると、Waiting Chair というよりも、Waiting Chair is waiting といった方がいいような気持ちになる。


嘗て「待つことは一種のアートだ」と言った人がいた。
しかし実際には、現在(いま)という時代こそ、「待つことがアートである」と呼べる時代ではないだろうか。

かつての生活に於いて、「待つ」「ただ待つ」ことは、誰もが持つ日常のひとこまであった。
けれども今日、何もせずに「ひたすら待つ」ということは、もはや誰にでもできることではなくなっている。



Early Philadelphia, 1964, Ray K. Metzker (1931 - 2014)



Chicago - Loop, 1957, Ray K. Metzker (1931 - 2014)









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