「古物」
いんきな風が吹き通る裏通りに
小さな古道具屋がある。
所狭しとガラクタが放り上げてある。
役に立つようなものもあり
立たないようなものもある。
もう少したてば必ず壊れるものなど
いろいろある。
よぼよぼと覚束なく杖にすがりながら
ときどき小さな老人が来る。
この店のおやじと同窓生である。
ガラクタの山の傍に二人
ちんまり坐って世間話をしていると
この店で一番値打ちのある
骨董品に見えてくる。
値札はない。
・・・余計なことだが、人間あまりスマートだったり役に立たない方がいい。
役に立つ人間になりたがったり、役に立つモノを追い求めない方が、きっと人間生き易くなる。
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