ときどき大木実の詩を思い出す。
タイトルも忘れてしまったし、正確に憶えているわけではないが、何故か印象に残っている。
詩人の家では、家族がみなで夕食の食卓を囲んでいる。
するとまだちいさな娘が、「もうかえろうよ」とぐずりだす。「もうかえろうよ」・・・
父は困惑する
娘よ、ここにはおまえの父がいて、母がいて、温かい夕餉の支度が整っている。
いったいお前はどこへ帰ろうというのか・・・
◇
ずいぶん前、境界性人格障害の当事者の書いた『ここはわたしの居場所ではない』という書名の本があった。その本は読んでいないが、どこへいっても安息を感じることの出来なかったわたしにとって、そのつぶやきは、わたしのものでもあった。
まだ普通に外に出られていた頃、ひとりで、或いは当時いた友人と、鎌倉ー江の島や、横浜を歩いた。太陽が真上にあるころから、夜まで歩いた。
今、日の暮れかかった江の島の入り口に、或いは横浜スタジアムの横に、たったひとり、ぽつねんと立っている自分を想像してみると、あまりに苛烈な惑乱と愁傷の中、その場に固く膝を抱え、慄えながら蹲ってしまうであろう自分を思う・・・
「人が恐怖で死んでしまうくらい弱い生き物だったらよかったのに・・・」と、二階堂奥歯は書いた。
もとより「孤独」と「恐怖」は異なるとはいえ、弱い生命を絶つことくらい、少なくとも狂気に引きこむことくらいはたやすく成し得る。
’quo vadis?’ クオ・ヴァディス=「あなたは何処へ行くのか・・・」
わたしはもう何処にも行きたくはない。
ただ、「帰りたい」のだ・・・
Ciao Takeoさん
返信削除ボンジョルノ!
私も「帰る」だなぁぁ、、
私はもはや両親2人とも亡くしていますので、そういう意味で実際に帰る場所はないのです
両親が元気なうちは、まあ、あそこが「帰る」場所だったんですけどね
私は、でも、両親がただいる。ってところじゃなく、多分生まれた時から、私が今「帰りたい」と思ってるあそこに、いつもいつも「帰りたい」と思っていたのだろうと、思います
うん。今のわたしには「いく」は「帰る」だろうと思います。何処へか?それは誰も具体的にはわからないけど、どこか安息の地・・・ちょっと言葉で説明はできませんね。強いて言葉で言おうとすれば、「ここではない何処か」ということでしょうか・・・
削除Ciao Takeoさん
返信削除私の帰るところは、私が来たところだと思っています
昨日ね
うちの亀が(いまだに性別不明なんですが) 午後遅く 必死でガリガリと土をほじくっている
しばらく見ていたけれど、邪魔するのもなんだと思ってそのままにしました
でも、その時点で相当深い穴が出来てたのね
亀はとても長い時間穴を掘り続け
もしかしてまた冬眠する気なのか?と思ったくらい
で、今朝見てみたら、その掘った穴の上に綺麗に土や木の葉が被せてあって、もしかして排卵したのかもと思いました
で、昨日の晩は、とても不思議な晩で、月がね、ちょうどこの「 夢見る月 」にそっくりなのでした
そうしたら、今朝 子供がほしくて治療をしている友人から電話があって、排卵が多目なので、病院に行くので、明日の夜出かけられない。とのこと
亀は排卵するし、(受精してなくても 本能で排卵するときがあるんだそうで) そして月が不思議で、きっとめちゃくちゃ好機かもよ、と言いました
へえ!
削除よかったねえ、でもその穴はそのままで大丈夫だろうか?蓋とかしなくても?
わからないよね、亀が卵を産んだらどうしたらいいか。
小さな亀の子がいっぱいうまれるといいね^^
亀も友人の女性も月の影響があるのかもしれないね。
生れるといいね。
うーん。亀はかわいいけどJunkoさんのところみたいな庭がないとちょっとねえ。
とってもいい話をありがとう^^
Ciao Takeoさん
返信削除穴は、彼女がすっかり それも誠にきれいに上を土やら葉っぱやらで、覆っています
甲羅があって、手足が決して自由に動かせないのに、よくもこんな緻密な作業が出来るもんだと感心します
ただ、、残念なことに、受精はしてないから、、マリア様でもない限り、、苦笑
小さな亀の子は産まれて来ないと思います
ある日さ、穴からぞろぞろ子亀が出てきたら、かわいいんだけどなーー
こんばんは、Junkoさん。
削除そう?無精卵はじゃあ子供が生まれないんだ。そういうところは(どういうところも)全然無智で(恥)
でも亀にとっては受精卵だろうが無精卵だろうが大切な卵に変わりはないから大事に護ってるんだね。
そういう光景を見ているとなにか敬虔な気持ちになりますね。
続報をどうもありがとう^^
素敵な話です^^
私も「帰りたい」と言いたいのですが、この世への執着が強いらしくなかなか本気になれません。本気で思えるのが羨ましいです。
返信削除こんばんはyy8さん。
削除いや、どこまで本気かわかりません。ただやはりこの世界、特に今の世界「日本?)に生きているのはたいへんだと思っています。
「帰る」とは何処へ?とういこともわからないし・・・
私の捉え方は宗教的なものになってしまいますが、その枠に拘らないような受け止め方もしています。
返信削除それはjunkoさんが言うように「私が来たところ」母のもと、母の胎内へ帰る、なのです。
お返事が遅れてすみません。
削除帰る、というのは自分が歩きはじめた場所へ還る、ということなのでしょうね。
別に宗教的であっても構わないのでは?
よい日曜日を^^