いまだにこのような畸形ブログを訪れてくれる人がいることに驚いています。
そして尚、過去の投稿をポツポツとであっても読んでくれている人があることを素直にうれしく感じています。
ブロガーでは今日どの記事が読まれたかということが表示されます。何処の(このブログには海外の訪問者もいるので)誰がその投稿を閲覧したのかはわかりません。
今日はどなたかが、昨年2月に書かれた「二枚の画」という投稿に目を通してくれたようです。
「昔日の感」という言い方をします。実際に、書かれたのは、わたしにとっては「昔日」ですが、それ以上に、書かれている書き方、内容、コメントでのやり取りに大袈裟ではなく「隔世の感」を覚えます。
そして当時は、このブログの常連(?)の方たちが、わたしにはその理由は未だにわかりませんが、このブログを「居心地がいい場所」であると言ってくれていました。しかし今考えると、あるブログに頻繁に通う、コメントでやり取りするというのは、とりもなおさず「居心地がいい」からで、そういう意味では、わたしのブログに何か他のブログにはない特別なものがあったわけではないのでした。
いづれにしても、当時はこの畸形ブログも、まだ他のブログと同じレベルにいたということはできるのかもしれません。
今、このブログに数名の訪問者はあっても、最早ここに居心地の良さを感じる人はいないでしょう。
しかし、それを踏まえた上で、わたしは書ける間は書けることを綴っていきたいと思っています。
ブログのスタイルも少し変えてみました。『八本脚の蝶』のように、文章だけではない。また、海外のブログによくみられるように、写真や絵と文章をミックスしているものの、そこには、二階堂奥歯や、これまでここに書いてきたような、その時々に書き手の感じていること、考えていることではなく、あくまでもそこにあるアートにまつわる文章があるだけ。わたしが目指しているのは、絵や写真を通して主観を語るという方法です。
日本にもアート系のブログは少なからずあるようですが、絵や写真を投稿しながら、それらの作品自体についてほとんど言及していないものは、わたしは見たことがありません。
例えばポール・デルヴォーの絵を使っても、わたしはデルヴォーやベルギー象徴派、乃至シュールレアリズムなどについては一切触れません。
それはいわば、わたしが好み、多用する「引用」が「イメージ」になったということ。人はなぜ引用するのか?(「盗用」でも構いません)自分をよりよく語るためです。決して自己と離れた「作品」の紹介でも説明でもありません。
わたしはTumblrから多くのものを吸収しました。いま、タンブラーでわたしをフォローしてくれている人たちに恩返しのつもりで、絵を、写真を投稿したいと思っています。けれども自分で「何をポストすればいいのか?」がわからない。彼らがPobohに求めていると思われるものに、最早ほとんど興味をひかれないのです。そして『八本脚の蝶』や海外のブログに比べて、Tumblrにはライバル視できるブログが見当たらない。
ならば、残り少なくなった時間とエネルギーをブログに使いたいと思うのです。
◇
今日、タンブラーと'Clock Without Hands' に以下の絵を投稿しました。
Ape and the Flower, 1990, Ganesh Pyne (1937 - 2013)
- Tempera on Canvas -
「サルと花」というインドの画家の作品です。
ブログではタイトルに、タンブラーでは「追記」として、「この絵に対してどうしても座り心地の悪さを覚えてしまう。老猿が一輪の花の香りに浸っている絵ではない。彼の首には「縄」が付けられている。何故このような境遇にあって、悟ったように花を愛でることができるのか?(Where his/her anger or sorrow has gone ?) 彼の怒りは、彼の悲しみは何処に行ったのか?」と。
そのようなことを上記の「二枚の画」でも書きました。
わたしはこの絵を好きとは言えない。
「何故好きになれないのか?」「一方で完全に無視し、拒否しきれないものが心に残るのはなぜか?」── この絵を通じて、自分の内面を語りたい。それがこのブログの主旨です。
わたしがこの絵について座り心地の悪さを感じるのなら、それは既に「二枚の画」を書いた当時のわたしとは違っており、このブログも読み手にとって「座り心地のよくない」ものになっているだろうと感じています・・・
TA
“Long ago,” he said, “long ago, there was something in me,
but now that thing is gone. Now that thing is gone,
that thing is gone. I cannot cry. I cannot care.
That thing will come back no more”
F. Scott Fitzgerald 'Winter Dreams', 1922
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