2020年7月6日

アメイジング・バド・パウエル





バドが歩くとそこがニューヨークであっても、パリであっても、ストックホルムであっても絵になる。

ジャズで一番聴くのはサックス。次がピアノだろうか。
好きなジャズ・ピアニストも枚挙にいとまがないが、バド・パウエルも間違いなくそのひとりだ。モンクともビル・エヴァンスとも、アート・テイタムやテディー・ウィルソンとも違う。マイルス・グループにいたウィントン・ケリーとも・・・
わたしにとってバドの魅力はその驚くべき(「アメイジング」な)「疾走感」「グルーヴ」だ。

これはもう画家や映画監督と同じように、「誰が一番好き」とは決して言えない。

『ラウンド・ミッドナイト』という映画のモデルはバド・パウエルだと言われる。舞台はパリ。
このショート・フィルムでナレーターをやっているデクスター・ゴードンが主演した。地味ながらいい映画だった。
「ラウンド・ミッドナイト」という曲はセロニアス・モンクの手で生み出された。

彼らがニューヨークの「ミントンズ・プレイハウス」というジャズ・スポットを拠点に「ビ・バップ」という新しいジャズのスタイルを創りだした。無論「ビ・バップ」を語るのに、チャーリー・パーカー、ディジー・ガレスピーの名は欠かせない。



バド・パウエルもまた、キース・ジャレットや グレン・グールドと同じように、演奏中に歌うというのか、ハミングというのか、はたまた唸り声を上げるというのか、そういうタイプのピアニストだった。

若き日のグレン・グールドが、その歌だか唸り声だかで、バッハの「ゴルトベルグ変奏曲」を台無しにしていると、ガス・マスクをつけて演奏して欲しいとスタジオのエンジニアから頼まれたというエピソードを何かで読んで笑ってしまった記憶がある。実際に彼がガスマスクを付けたかどうかは、定かではない。


Glenn Gould - J.S. Bach, Variazioni Goldberg - 1981


はなしが随分逸れてしまったが、その「即興性」こそがジャズである(なんて)

ちなみに三島由紀夫によると、鷗外の随筆は「余談に始まり余談に終わる」と「絶賛」されている。然り!










0 件のコメント:

コメントを投稿