2020年2月24日

マイ・フェイヴァリット・ドラマーⅡ スチュワート・コープランド


The Police, Live at the Rockpalast (Hamburg - Markthalle - January 11, 1980)



久し振りにザ・ポリスの1980年のハンブルグでのライブビデオを見た。
「ウーン。若いって、ほんとうに素晴らしいですね!」

下で投稿したThe Go-Go'sは、高校時代、彼女たちが2枚目のアルバム『ヴァケーション』を発売した時か、その直前に初来日した時、つまり今から約40年前に、渋谷公会堂でのライブを観に行った。あの時もステージ上の彼女たちのエネルギーに驚いた記憶がある。「なんでまぁこんなに元気なんだろう」

The Policeは当時来日していたのかどうかわからないが、ライブに行ったことはない。
大学生活に馴染めず、授業をさぼって大学の図書館に「通って」いた。時々誰もいない校舎の屋上で、当時のポリスのベスト盤のカセットをウォークマンで聴いていた。
「見つめていたい」(Every breath you take)などの軟弱な歌がヒットする前、「パンク」だった頃のポリス。屋上で聴いたのはポリスだけではないはずなのに、なぜか繰り返しポリスを聴いていた記憶だけが残っている。'So Lonely' 'I Can't Stand Losing You' 'Next to you'そしてもちろん'Message In A Bottle'


このビデオに書きこまれているコメントは、ほとんどがスティングではなく、スチュワート・コープランドについてだ。いかに当時の彼がずば抜けたタレントを持ったドラマーであったかを口々に語っている。

幾つかのコメントにもあるように、名ドラマーと言われる人は少なくないし、そのスタイルを継承しているドラマーも多い。けれども、SCに関しては、彼に似たドラマーを知らない、と。
ひとりが、コープランドは少しハイハットを偏愛し過ぎではないか?と書いている。
賛同者はほとんどいないが、確かにSCに関していえば、あの比類のないハイハットワーク抜きには語れない。そしてスネアドラムのリムショット。
30秒も聴けばスチュワート・コープランドだとわかる。そんなドラマーは他に知らない。だから決して真似はできない。

1965年頃のベンチャーズも、どうしてこのスピードで、こんなに一糸乱れぬドライブ感が出せるのかと思う。

改めて若さの凄みと、ロックはライブでなければという思いを新たにすると同時に、今の20~30代が、往年のベンチャーズやポリス、更に遡って、レッド・ツェッペリンやディープ・パープルのような演奏が可能なのかと訝る。

例えば、いきなり飛ぶが、落語で言えば、今日、昭和の名人と言われた志ん生、円生、彦六、文楽、可楽、馬生のような人たちは言うに及ばず、ひと世代下った志ん朝や談志、橘屋円蔵(元月の家円鏡)レベルの噺家など求むべくもない。ブラック・ミュージックでいえば、サム・クックは勿論、オーティス・レディングやウィルソン・ピケット、そしてアル・グリーンのような歌い手はもう二度と現れない。
ボブ・ディランがシナトラのカバーを歌う時代だ。

スチュワート・コープランドはわたしよりも10歳年上だ。もうあれから40年が過ぎたのだ。

懐メロだとか、古いという人間を嗤う。

ロックであれ、落語であれ、映画であれ、エンターテインメントの世界では、「それら」が尚、今の君たちが観たり聴いたりしているものを遥かに凌駕しているということを知れ。それらは「懐かしの」ではなく'TIMELESS'と呼ばれている。










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