汽車よりも悲しいものはあるだろうか?
決められた時刻に出発し、
発する声は一つしかなく、
走る道も一つしかない。
汽車より悲しいものはない。
それとも荷車引きの馬だろうか。
ながえの間に挟まれ
脇を見ることさえできない。
生きることはただ歩くことだ。
それでは人間は? 人間は悲しくはないのか?
もし長い間孤独に生き
時の円環はもう閉じていると信じているなら
人間も悲しい存在だ。
ー プリーモ・レーヴィ「月曜日」 『プリーモ・レーヴィ全詩集 予期せぬ時に』竹山博英 訳(2019年)より
もし長い間孤独に生き、時の円環はもう閉じていると信じているのなら・・・
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