Federico Patellani, Acquapendente (Viterbo), 1945 Gelatin silver print, cm 31.1 x 45.8 on paper cm 40.3 x 50.1, |
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イタリアの写真家、フェデリコ・パテッラーニの「アクアペンデンテ」(ヴィテルボ)(町の名前)撮影は1945年。
航空機の廃墟である。
滅びゆくもの、朽ちゆくもの、傷ついたもの、最早誰からも顧みられることのなくなったものたちは、なぜこうもわたしの心を捉えて離さないのか、何故こうも美しいのか・・・
夕風が心地よい野原に寝転んで、いつまでも眺めていたくなる。いつまでも傍にいたくなる。
いま、彼は一切の有用性から解放されて、ひとつの純粋な美であることのみを以て、そこに、在る。
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詩人の立原道造は東大で建築を学んだ。彼は設計するときに、廃墟になったときの姿を思い描いて図面を引いたという。
「有用性と、価値と、意味に抗して」
彼が真の詩人である所以である。
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