2019年2月27日

フランク・アウエルバッハ / Frank Auerbach Ⅱ


フランク・アウエルバッハのポートレイトです。


Head Of E.O.W. 1955
- Oil on Board -




Head of E.O.W.  1952
- Oil on Card - 

Head of Gerda Boehm 1981
- Oil on Panel -


これらの「貌」は醜いでしょうか?「これは人のカオじゃない!」といえるでしょうか?
わたしはひょっとしたらこれは自分の貌かもしれないと思います。
或いは人の貌もこのように多様であれば、などとも考えます。

駅のホームで、電車のなかで、まったく無表情でスマホを見つめている不気味な生き物たちに比べて、これらの貌にはテクスチャーがある、マチエールがある。つまり「手触り」「質感」がある。ユーモアさえあります。
わたしにとっての最大の醜さとは「均質性」です。

何度もいうように、今の世界はわたしの本来属する世界ではない。
わたしは一見皆と同じ人間のように見えるかもしれない。しかし現実はそうではない。
わたしは自分を「ニンゲン」とは思わないし、ニンゲンでありたいとも思わない。
わたしは本来の世界に還りたいのだ。「この貌」の属する世界に・・・


Seated Figure with Arms Raised 1973
- Oil on Board - 

世の中に「現実」以上に醜いものはない。





2 件のコメント:

  1. 現実の醜さが表現させた絵、ということでしょうか。

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    1. う~ん。これは彼のスタイルで、そのスタイルの源流がどこにあるのか?
      わたしは彼の絵を醜いとは思わないんですよ。アーティストの個性と見る側の個性が合うかどうかではないでしょうか?

      のっぺらぼうというか、見分けのつかない顔っていうのかダメなんです。

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