2019年2月20日

「良くなる」というアポリア…


この一年間ほど、けっして多くはないが、何人かの心を病んだ人たちのブログを継続して読んできた。「鬱病」「統合失調症」「社会不安障害」「引きこもり」「発達障害」など。
中には読み始めた当初から既に更新が途絶えて久しいものもあり、またいくつかのブログは、しばらくの沈黙の後、突然姿を消した。

現在は数人のブログを読むだけだが、この間、わたしが出逢った人たちの多くは「死」を口にすることが珍しくはなかった。そしてその原因は、今自分を苦しめている症状、状態が、一向に改善されないこと、また持って生まれた人見知り、或いは対人恐怖のような性質はこれからも決して治ることはないという絶望感からだったように思う。

言い換えれば、仮にそれらが「治癒される」見込みがあれば、おそらく彼らは死ぬことなど考えることはないだろう。「一人で外に出ることができれば」「人に怯えることがなくなれば」「この重苦しい倦怠感から解放されれば」「この自分の症状に合った職場に出逢えれば・・・」

そこが「彼ら」とわたしとの大きな、そしておそらくは決定的な違いなのだ。

「今あなたを苦しめている症状をたちどころに消し去る薬があります。あなたはそれを飲みますか?」と訊かれて、断ったり、迷ったりする人たちは、ほとんどいないのではないだろうか。

翻ってわたし自身を考えてみると、健康であるなしを問わず、今この時代に生きていること自体が「不自然」なのだ。そしてわたしにとって、この時代に生きていることが不自然である、ということこそが正に自然な状態なのだ。であるならば、「今わたしを苦しめているもの」の正体とは、「今という時代の風景」そのものなのだ。
「ひとりで自由に外に出られる」ということ以前に、わたしにとって「今の外の世界」とはいかなるものか?その検証を抜きに「出られること」のみを目指すことはナンセンスだ。

わたしは「今の時代が悪い」とも「生まれる時代を間違えた」とも言うつもりはない。ただ単純に、わたしの美意識と、時代のそれとの相性が決定的に合わなかったということだ。そして「健康になって無理して生きる」意味が分からないといっているのだ・・・


「電車の中で皆がみな、同じようにスマホに見入っている(魅入られている)。その不気味さから目をそらすため、誰もが必死にスマホを見つめている・・・」









10 件のコメント:

  1. こんにちは、Blueさん。


    今日は温かい言葉をいただきありがたうございます。わたしは本当に何を感じたらよいのか、何を思ったらよいのか、何を望んだらよいのか、何を話したらよいのか、まるで分からない状況です。職場では記号のようなサインのような言葉を話してゐますが、人としてわたしが話す言葉は皆無に近い。だつて分からないのだから。わたしが何をしたいのか。たぶんわたしのしたいことを必死で探しても、どうしても見つからない、無い。


    >「鬱病」「統合失調症」「社会不安障害」「引きこもり」「発達障害」など。
    :それ全部わたしのことです。週5日仕事に行っていても、それ以外の時間は引きこもっていますし、実はわたし長年アル中です。もちろん朝から呑んだりはしませんし、呑む量も1日缶チューハイ2本と決まっていますが、夕方の17時になると決まって呑むんです。わたしが生きてゐることから逃れたいから、わたしが生きてゐることを忘れたいから、だと思ひます。決まった時間に。


    >仮にそれらが「治癒される」見込みがあれば、
    :わたしは14歳のときに精神疾患に罹つてからもう30年になりますから、「治る」という発想はこれつぽつちも無くなりました。わたしが、わたしのこの症状と、この先、末永く、どのやうにお付き合いして行くか、それだけを考へてゐます。わたしは症状を軽減させ、社会に参加することを選びましたので、薬とは一生のお付き合いです。


    >その不気味さから目をそらすため、誰もが必死にスマホを見つめている・・・
    :わたしは人と関係することが極めて下手なので、職場の休憩時間に同僚からなるべく話しかけられないやうにしてゐます。話しかけられてもそもそもうまく受け答えができませんし、無理して受け答えをしてゐるとわたしが疲れてしまうからです。そんなわけでわたしもスマホを触っているフリをして休憩時間を過ごしてゐます。


    こんな時代を、わたしは自然だとは思わないけれど、あまり苦しいとは思ひません。職場の休憩中に一方的に話しかけられたとき、スマホを触っているフリというのは便利な逃げ場なのですよ。他にもあります。トイレに行ってくると云って逃げたり、外でタバコを吸ってくると云って逃げたり。こうしてしゃべつてゐると、わたしは逃げてばかりですね。


    でも居場所があれば良いのだと思ひます。BlueさんにはBlueさんの、わたしにはわたしの。たとへばBlueさんはアートや音楽に心地よい居場所があることを、地味にうらやましく思ひます。わたしは全てから逃げてばかりですが、唯一、自分から楽しめるのはサイクリングぐらいかな。わたしは逃げてばかり。人との井戸端会議すら避け、スマホにさへ逃げる。

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  2. こんばんは、瀬里香さん。お話を、自分のことを聞かせてくれてありがとう。

    >わたしは本当に何を感じたらよいのか、何を思ったらよいのか、何を望んだらよいのか、何を話したらよいのか、まるで分からない状況です。

    これに関しては、わたしは返す言葉を持ちません。多くの人は、自分が何を話したいのか?ではなく、その場では何を話すべきか?何を話すべきではないのか?を先ず考えるのでしょう。

    「私」が何を望むか、ではなく、周りが「あなたに」なにを望んでいるかが社会生活の第一義なのだろうと思います。そうして「自分ではないもの」に常に合わせていると、自然と「本来の自分」は薄れてゆきます。

    わたしは瀬里香さんがアル中であろうとシャブ中だろうと構いません。だって、そんなものの助けでも借りなくちゃとても生きて行けないから。

    瀬里香さんの職場というのは、障害を持つ人たちの職場ではなかったですか?
    つまり瀬里香さんと似た感じの人=同じように人が苦手な人が多い職場だと思っていました。
    勘違いをしてたらごめんなさい。

    >トイレに行ってくると云って逃げたり、外でタバコを吸ってくると云って逃げたり。こうしてしゃべつてゐると、わたしは逃げてばかりですね。

    別に無理して立ち向かわなくてもいいんじゃないかな。逃げる方が楽なら、逃げればいいと思います。

    音楽でも、アートでも、映画でも、本でも、「居場所」すなわち「避難所」です。逃げ場です。瀬里香さんとなんにも違いません。

    >わたしは逃げてばかり。人との井戸端会議すら避け、スマホにさへ逃げる。

    わたしはそんな瀬里香さんを肯定します。馬鹿にならない限り逃げていい。
    というよりも、逃げないでいられる鈍感さは好きになれない。

    苦しくても懸命に踏みとどまる人をわたしは好きだけど、逃げることにさえ不器用な人が好きだけど・・・敢えて言うけどこんな社会に潰されてほしくない。

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  3. 今晩わ。
    お二人の気持ちに触れました。
    私も仲間に入れて欲しいです。
    瀬里香さんレベルの飲酒は、アル中とは云わないでしょうね。私なんか、休日は朝から飲んでますよ。弱いから酒量は多くないですが。湯のみ茶碗で一、二杯飲んでは眠くなって寝て、眼が覚めたらまたちょこっと飲んで、また眠り、起きては飲むの繰り返し。朝の晩酌、昼の晩酌、そして夜の晩酌をして、1日で三連休の気分になってます。もちろん、その間に洗濯したり、料理したり、買い物がある時は我慢したりと結構働いて?います。なんせ一人ものだから。
    Nicoさんは料理はしますか?
    私は今、オムレツ作りに挑戦しています。難しいですね。三回やって二度はスクランブルエッグになってしまって、一度はそれらしくなったかなと思ったら、仕上げで真ん中からポッキリと折れてL字型になってしまって、泣きました。

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  4. どうぞどうぞ。仲間にお入りください^^

    そうですね、ただ、気持ちの部分で「アル中」という感覚なんでしょうね。

    >朝の晩酌、昼の晩酌、そして夜の晩酌をして、1日で三連休の気分になってます。

    ははは、上手い表現ですね。

    そうですね、ひとりものは大変ですね、わたしはもう上げ膳据え膳の穀潰しです。

    料理は苦手ですね、たぶん、レシピをみて、さとうおおさじ半分、塩ふたつまみ、みりん小さじ2杯・・・とかいうのがダメなんでしょうね。「説明書」というものを読めませんし。

    オムレツですか。いいですね。すぐにちゃんとできますよ。すごいですね。やはり男は料理ができなきゃダメですよ。

    良い日曜日をお迎えください^^


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    1. 料理本はいくつも持っていますが、Nicoさんと同様に砂糖大匙半分、なんてのがダメで料理嫌いだったのですが、最近ユーチューブでレシピを検索してみたら、料理店の店主が結構動画を載せていて、それを見たら料理っていい加減でいいんだと思って急に興味が湧いたのです。云ってみればテキトーにやっているのです。あゝ、こんなんでいいのかと思ったら、よしやってみるかという気分になったのです。オムレツが難しいのは技術が必要だからですね。修練が欠かせないようです。今日もやってみたのですが、何とかスクランブルエッグにはならなかったようで、少し希望を持てました。フライパンを変えてみようと思っています。

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    2. そうですか。本は揃えていたんですね。

      You Tubeの動画はなんでもあるんですね。便利な反目怖い気もします。
      料理の苦手な一人暮らしの人にはそういう動画は役立つでしょうけれど、
      自分の母親が、スマホで動画を見ながら晩御飯を作る時代に生まれなくてよかったと思います。

      フライパンを替えるなんて本格的ですね。きっと形よくおいしいオムレツができるでしょう^^

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  5. みなさん、こんばんは。
    ぼくは、大したこともしてきませんでしたし、大した苦労もしないで生きてきたので、皆さんのように語るべき人生体験を持っていませんが、それでも、瀬里香さんのお話には、強く心を動かされました。それからヒロさんのまっすぐなお言葉にもいつも心を洗われる気持ちで拝見させていただいています。
    Takeoさん、はじめ、皆さんのお話が大好きです。
    ぼくは、自分では、精神疾患などは持っていないと勝手に決めていますが、瀬里香さんのおっしゃる「人との会話に苦労する」と言うことはいつも感じています。

    それにつけても、どうして、ここに集っている方々のような極々まともな人たちが、あまりにも片隅の場所に追いやられていて、どちらかと言えば、人間性を失ってしまった人たちの方が、何となく堂々としているような気がしてしまうのか?
    そこのところが、どうにも納得のいかない今日この頃なわけです。

    話は変わりますけど、ヒロさん、オムレツはいいフライパンがないとなかなか上手くできませんよ。
    プロのコックさんたちは、オムレツを焼くフライパンを他の料理に使わないくらいです。
    でも、ぼくのおススメは、温度卵です。
    たっぷりの水に生卵を入れて70度の温度になったら、5分ほど70度を保ってから火を止めて、約20分置いておけば半熟の状態になります。
    それに鰹節とポン酢をかけたらすごく旨いですよ。
    それを、卵かけご飯にしても激ウマです。

    どうも、ぼくのコメントはこのブログの静寂からはズレてますね。
    どうもすいません。

    では、また。

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    1. こんばんは、ふたつさん。

      瀬里香さんはもう11年ほどの付き合いになります。わたしがすぐに怒って縁を切るとかいうんですが、彼女はいつも付いてきてくれます。先日の「おしえてGoo」の最後の100番目のコメントの影響もあるかもしれません。
      yy8さん(ヒロ)さんは3年前にやはりあそこで知り合いました。ですから、瀬里香さんとyy8さんも仲間です。

      最近は絵の投稿ばかりで、みんなつまらなくなってるんじゃないかと思います。
      別にアートブログに方向転換したわけではなく、丁度冒頭の瀬里香さんの状態に近いのです。

      温度卵ってきいたことありませんが、温泉卵ではないんですね(笑)
      これはいわゆるゆで卵とどう違うのでしょうか?

      鰹節とポン酢か、おいしそうですね。酒の肴にもよさそうだし。

      前から言っていますが、別に記事に関係のあることを書かなければならないということはないのです。

      みなさん、気軽に書きたいことを書いてください。

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  6. こんばんは。
    温度卵は、コンビニなどで売っている温泉卵みたいなものですが、和食では温度卵と言うことが多いです。
    半熟のゆで卵との違いは、黄身全体が同じトロトロさで、それでいて、白身は、ほとんど固まっていない状態です。
    売っているものだと、自分の好みの硬さにできないので、自分で作った方がおいしいんですね。
    あとは、たれも自分好みにするとさらにおいしくなります。

    ぼくは、やわらかめが好きなので、70度になったらすぐに火を止めて15分放置してから、水で冷やします。
    でも、考えたら、意外と温度計持ってる人少ないですよね。

    いや、こんな話に付き合ってもらえて、どうもありがとうございます。

    では、また。

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    1. そうなんです。温度計持ってる人って少ないんじゃないかと思います。まあ100円ショップで売ってるんでしょうけど。

      タレはなんでも合いそうですね。マヨネーズでもソースでも(笑)
      こういうシンプルな料理に凝るのが通ですね^^

      こちらこそ、生身の情報をありがとうございました^^

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