2019年2月16日

襤褸の旗…


日々生きてゆくことのとてつもない困難を感じている。
そんななか、わたしの文章に2人の人が関心を示してくれたことを有り難いと思う。

まだわたしは、2人分、人間なのだろうか・・・

わたしの文章は、彼 / 彼女にとってどのような「意味」をもっているのだろう。

Fさんはここは居心地がいいと書いてくれた。

皮肉なものだな。

これほどこの世界に居心地の悪さを感じている者が書いた世界に「居心地の良さ」を感じるなんて。

常に「樹、静かならんと欲すれども風止まず」という心境のなかに生きる者の内面から、そのような静謐が感じられるなんて。

それにもまして、わたしに対して「敵意や嘲弄の対象」や「珍奇怪異な見世物」としてではなく、好意的な関心を寄せてくれる人がまだ世界に存在するなんて。

今日明日と、地元のTSUTAYAで、旧作のDVDレンタル100円キャンペーンをやっているらしい。ここから自転車で20分ほどだが、とてもそこまで行く元気はない。

今一番観たいのはデビッド・リンチ監督の『エレファント・マン』
もう一度彼の悲しみと、一人の人間の愛情によって、人間として安らかに死んでいったラストシーンを観たい。

「外に出る」ということはどういうことか、最早わたしにはわからなくなっている。

「外界」の存在しない世界で・・・厳密に言えば、「わたし」という一個の実存との、必然的な連続性を欠いた「異界」にあって、「外に出る」とはどういうことなのだろうか?


Southwest Fourth and Salmon Streets, Courthouse. 1939, Minor White.




Chet Baker & Paul Bley - If I should lose you 



晩年のチェット・ベイカーはほとんどジャンキーであった。そしてアムステルダムのホテルの窓から、事故か故意かは不明だが、落下して、その命は消えた。

わたしは、ほころび、破綻、ぽっかりと開いた疵口、破れ崩れた魂を持たないものを、汚れと傷のないものをどうしても愛することができない。
壊れていないものを、愛することができない・・・
力強いもの、輝いているもの、真新しいものは、それが自然の生み出したものでない限り、わたしの「敵」である。そしておそらくはまた「正しさ」も・・・









4 件のコメント:

  1. こんばんは、Blueさん。

    素敵な曲を流してくれてありがとう。喇叭と鍵盤というシンプルな組み合わせなのに、どちらの奏者も表現力が豊かで、お互いを活かし合っている感じがします。

    実はトランペット大好きなんです。わたしは十代の頃ブラスバンド部でトランペットを担当してゐました。9歳の頃、3rd(低音パート)から入って、11歳になった時にようやく1st(高音パート)を吹くことができたときは胸が弾みました。
    わたしの娘(もうすぐ17歳)も、やはり中学校の頃から吹奏楽部に所属しており、トランペットを担当してゐます。

    少しうるさくしゃべってしまうかもしれないのですが、トランペットは実に様々な色の音を出します。四角い音・丸い音、辛い音・甘い音、熱い音・冷たい音、優しい音・厳しい音、湿った音・乾いた音、カラフルな音・モノクロの音など。


    この曲のトランペットは驚くほど柔らかくて潤いのある音でびっくりしました。雫が滴るような。金管楽器なのに木管楽器のような。

    ___________


    今後もあなたの声が聴けることになったようで、単純にうれしいです。ここは居心地が良いです。

    今、外に出ると、紅白の梅とかたんぽぽとか水仙とか椿とかオオイヌノフグリが咲いていて、ツクシが顔を出してゐます。また、白木蓮や沈丁花の蕾がずいぶん膨らみ、数週間後に開花しそうです。

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    1. こんばんは、瀬里香さん。先日絶交したのにね(笑)

      わたしはジャズでは専らサックスを聴きますが、チェット・ベイカーは特別ですね。
      あとはマイルス、サッチモかな。

      この曲を聴いていると、寂しさと優しさとはおなじ、或いは双子ではないかと感じてしまいます。

      瀬里香くんはトランペットが更けるんですね。わたしは楽譜が読めないからドラムだけです。

      チェットの曲を聴きこんでくれてありがとう。

      そうか、外はまだあるのか・・・

      また白木蓮の季節か、年々速度が速くなるなあ・・・

      久しぶりのコメントありがとう。認証がうっとうしいだろうけど、ごめんね。

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  2. こんにちは、Nicoさん。
    Nicoさんとドラムは似合いそうもないので、ビックリです。イメージ的にはフルートがいいですね。ドラムって両手両足をバラバラに動かすんでしょ?今もやってますか?

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    1. いやいや、大学時代に高校の頃のバンドで少しやってたくらいで、それ以降はたぶんドラムセットの前に座っていないと思います。

      わたしはギターを弾きたかってですが、ハナ肇(ドラムス)が言っていたように、あれは「頭がいる」のでね。

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