2020年1月25日

断想2への追記


下の投稿に使ったルーシー・キャンベルの「ポーラ・ベア(北極グマ)に抱かれる青いパジャマを着た少年」や、以前投稿したこのような絵は、ともすれば、「内なる子供の自分」=「Inner Child」といったイメージに結びつきやすい。




けれども、抱擁されるのが「子供」である必要はまったくないのだ。
ホームレスの中年男性でも、認知症の老人でも構わない。

70歳であろうと、80歳であろうと、人間という「死すべき存在」は、常に心の内側に、「全的抱擁」「大いなる存在との同一化」の欲求を宿しているはずだ。言い換えれば「守られたい」「安心安息を得たい」という欲求だ。母胎回帰への感情は、年齢を問わずあるのではないか。

オーストラリアには、「暖かい夜には一匹の犬と、寒い夜には、二匹の犬と、厳寒の夜には三匹の犬と一緒に寝れば心地よく眠れる」という言い伝えがあるという。
(そこから「スリー・ドッグ・ナイト」という3人組のバンドの名前が採られたのだろう)

こんにち、多くの人たちが・・・子供が、家無き者が、重い障害を持つ者が、老い衰えた人たちが、ぬくもりを求めている。HUGを、抱擁を、心の安らぎを・・・「三匹の犬」を求めている。



英国のシンガー・ソングライター、オリビア・チェイニーの「シェルター」(2018年)








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