「人生は生きるに価するか?」という問いがわたしに向けられたなら、
「自分を取り巻く環境による」と答えるだろう。
少なくとも、東京は生きるに価する場所ではない。
そして「死」に価する場所でもない。
生きるに価する場所とは、「ここで死にたい」と思える場所のことだ。
東京が、そして日本が「生きるに価しない」というのは、「政治が悪いから」といった問題ではない。「政治」とは無関係に、日本人全体の民度の問題、日本国民の美意識の問題だ。「政治」とは畢竟民族或いは国民の心性(乃至品性)が顕在化したものに他ならない。
わたしは常々、自分は「故郷喪失者」だと言っている。
東京で生まれ、東京で育った者、東京で数十年間を暮らしている者で、ひとりでも「故郷喪失者」でない者がいるだろうか。要はそれを自覚しているかどうか、それを痛みと感じるかどうかの違いでしかない。
わたしは今尚、生まれ育った街に生きながら、常にホームシックの疼きを身内に抱えている・・・
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