6月に閉店した青山ブックセンターの閉店セール。
これ、ちょっと信じられませんよね。
洋書のペイパーバックが200円。(といっても読めませんけど。)
写真集、画集類が500円!
わたしはもともと、あまり新刊の書店にはいかないんです。
本は専ら図書館で借りる。
随分前に、WAVE六本木店が閉店したときには出かけて行きました。その時は確か、全品半額だったと思います。狭い店内にごった返す人の山。結局人が多すぎたせいか、余り収穫はなく、CD2~3枚買っただけでした。
その後、やはり輸入CDショップのヴァージン・メガストアが閉店するときのセールには、地元の蒲田店、お隣の川崎店は言うに及ばず、新宿本店にまで足繁く通ったものです。
2枚で半額、3枚以上で80%オフといった感じでした。
CDも基本的には「借りる」のですが、ツヤタでも図書館でも、借りられるのは国内盤だけですから、日本では発売されていないCDを、この時とばかりに山ほど・・・文字通り数百枚買い漁りました。CDはすぐに廃盤になって、聴きたいと思ったときには最早入手困難になっていることがよくありますから、クラシック以外は手当たり次第、という感じでした。
それでも当時はもうCDを聴かない人が増えていたのでしょうか、それとも洋楽離れ?
ヴァージンの売り場はガラガラでした。
◇
青山ブックセンター。実は行ったことがないんです。
わたしには、大きな書店というと、八重洲のブックセンターか丸善でした。
新宿紀伊国屋もそうですが、美術書のフロアでは、ほんとうに時間を忘れます。
ただもうこれ以上本を、それも大型本を増やすほどのスペースがありません。
このセールは閉店後に知ったのですが、セール前に知っていたとしても・・・
う~ん。まぁ足を運んで「あ!」「おお!」というやつを2~3冊・・・いや、「あ!」とか「おお!」と言って棚を眺めているうちに「ええっ!」「げっ!」「ウワ!」「マジ?」などとなって、もう歯止めが利かなくなるのは容易に予想されるので、なまじ見ない方がよかったのかもしれません。「知らぬが仏」というやつでしょう。
数年前、国立の古本屋で、中古のVHS一本100円で売っていたときに、思わぬ旧作・名作が揃っていたので、つい10本くらい買ってしまいました。
それはたまたま通り通りがかった時にやっていたセールでしたが、一定期間、或いは定期的にやっていたら、きっとまたヴァージンの二の舞になっていたでしょう!
本は我慢できても、やはり名作ビデオの誘惑には抗えない気がします。
エリック・ロメールやブレッソン等の中古ビデオのセールが何処かであれば、きっと駆けつけてしまうでしょう。置き場所もないのに。
それにしても、どんな美術書が売られていたんだろう・・・
St. John the Evangelist Episcopal Church, Dingmans Ferry, Hermann Ottomar Herzog. Germany-American, (1832 - 1932) |
前に、やはり国立の洋書店で、前から疑問に感じていたことを尋ねたことがあります。
「例えばイタリアの、スペインの、ドイツの、オランダの画家やイラストレーターの名前は、どのように日本語に訳すんでしょう?」
店の人は「ううん。それはわたしたちにもわからないですね。聞いたこともない外国のアーティストを日本でどう呼ぶかは・・・」
黄昏時、豊かな静寂につつまれた空の下を教会に向かう人影を描いたHermann Ottomar Herzog の「日本名」を知らなくとも、この絵の美しさに変わりはありません。
この絵から静寂さを感じたら、鑑賞眼としてはまともですか。
返信削除静寂は誰でも感じるでしょう。ただ、静寂さの中に何を読み取るか、それが鑑賞のおもしろさのような気がします。
削除薄く光る三日月、巣に帰る鳥たち、遥かにかすむ山並み、そして教会に集まる素朴な人たち。歩いていく人は何者か・・・
それらのディテールが集まって、ひとつの静けさを生み出している。
もちろん第一印象で感じた「静寂」。それで充分だとも言えます。それを敢えて分析する「必要」はないかもしれません。