2018年9月29日

秋、感興なし


自治体の行っている無料健康診断は明日まで。
「健康であること」の意味もわからず、また「健康になれるはずもない」身でありながら、天気もいいということもあって、久しぶりに自転車に乗って、行きつけの内科に行ってきた。

秋の空の下、比較的木々の多い公園を抜け、金木犀の香る広場の横を自転車を漕いで医院に向かったが、何の感慨もない。久しぶりに外の空気を浴びたのに。太陽の光の下で金木犀の匂いを感じたのに。わたしのこころはまるで何も感じていないようだった。

検診は20分ほどで終わった。待合室のテレビがニュースを流している。
普段テレビを見ないわたしは、見るともなくぼんやりと眺めていたが、動く画面を見ているのは疲れる。
行きも帰りも同じ道で、わたしの好きな、昭和時代の、最早あまり住人のいない都営住宅の並ぶ道の脇を走ったが、ここでも心の針は幽かに動いた程度だった。

やはりわたしは既に失われた過去と共に立ち去る方がいいのかもしれない。と、健康診断を受けた帰路にそんなことを思っていた。


Danny Kaye - I'll take you dreaming

ダニー・ケイ「アイル・テイク・ユー・ドリーミング」(1955年)

この歌を聴いていると、ジュディー・ガーランドの「虹の彼方へ」'Somewhere over the rainbow' を思い出す。自由に外に出ることもままならないわたしにとって、
「此処ではない何処か」ーSomewhere は、いつも「夢の中」にしかない。













4 件のコメント:

  1. 少しばかりの刺激を受けて・・・

    モグラだって、地面から顔を出すこともあるのだし・・・

    セミは一週間ほどで死んでしまうらしいけど。

    ダニー・ケイ。

    安らぎを与えてくれるような“ボイス”です。

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    1. こんばんは、yy8さん。

      モグラは可愛いようですが、わたしは本物のモグラを見たことがありません。
      モグラの世界は土の中、大地の下ですから、引きこもりということはないでしょうね。(苦笑)

      今年はこれだけ暑い夏だったのに、蝉しぐれをほとんど聴きませんでした。
      耳が遠くなったことと、殆ど窓を開けなかったこともあるのかもしれませんが。

      この歌は子守歌のようです。

      ところで、クレージー・キャッツの谷啓の名前が、彼の名をもじったことはご存知ですよね。

      yy8さんもよい週末過ごされますよう^^

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  2. 知っています。

    ダニー・ケイ  谷・啓。

    こう、問われて谷敬はどうしてダニー・ケイの名をもじったのだろうかと気になってしまいました。

    ウィキで調べたら、分かるんでしょうね。

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    1. 外見はまるで似てませんけどね。
      ダニーケイは40~50年代のエンターテイナー、コメディアンですね。
      ビング・クロスビーと「ホワイト・クリスマス」に出て一緒に歌っていますが、こんなに歌が上手いとは思いませんでした。雰囲気もクロスビーに似ていますね。

      わたしはウィキはほとんど使わないので何とも言えません。
      調べものはどうするのか?調べなきゃならないことをやってませんから。(苦笑)

      穏やかな日曜日を。


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