デンマーク生まれの写真家、ジェイコブ・リース(Jacob Riis)(1849-1914)の撮った1889年のニューヨーク、ロウワー・イースト・サイド(Lower East Side).
彼は同時代のルイス・W・ハインと同じく、このようなすばらしいフォト・ドキュメントを残している。
彼らは貧しい。飢えて凍えている。でも、仲間がいる。友がいる。
友の握る手以上に温かい毛布はあるか?
共にいる仲間のぬくもり以上に心を満たすスウプはあるか?
1984年のドキュメンタリー映画『子供たちによろしく』では、80年代のNYのストリート・キッズたちの生活が描かれている。その中の一人の少年の言葉、
「どんなに強くても、ひとりではストリートでは生きてゆけない。」
それはしかし、ストリートに生きる子供たちだけの事だろうか?
路傍に寝起きする者たちだけの事だろうか?
「さむいねと いえば「寒いね」と こたえる人のいるあたたかさ」(俵万智)
・・・わたしは、もう、駄目のような気がする。
◇
それにしても下記サイトの醜悪さよ・・・
ART.COM
彼 / 彼女たちは知らない、気づいていない。自分たちもまた「見られている」ことを・・・
低くあることの気高さを、高みにいることの醜悪さを。
On the Nickel, Tom Waits.
わたしの好きなトム・ウェイツの「オン・ザ・ニコル」です。
ジェイコブ・リース、ルイス・W・ハイン、ドロシア・ラング等のモノクロ写真が使われています。You Tubeでご視聴ください。
>それにしても下記サイトの醜悪さよ・・・
返信削除世の中的には、その写真を飾る感受性を、
弱者に向けるまなざし、なんて呼ぶのですよ♪
圧倒的に、どうしようもなく快適で、
清潔で、センスもよく、なにもかも勝っていて、
揺るぎのない優位性にあふれた部屋に、
それでも飽き足らずに、その写真を飾るのです。
どこまでも勝ち組でありたいと、
優しさまでも手中に収めようとするその心性を、
世の中的には、
優しさ、なんて呼ぶのですよ♪
なんていうのかなあ。ものすごく高価で、それでもだれもその良さを分かっていない抽象画を虚栄心を満たすために壁に飾っている。そちらは単なる成金の俗物として解るんですが。
削除こういう写真を飾る神経は、アウシュヴィッツの捕虜たちの骨と皮ばかりの生ける屍(という形容が適切かどうかわかりませんが)たちの写真を飾ること、広島長崎のきのこ雲の写真を飾ることとなんら変わらないと思うのです。
それはそのような記念館や展示会での展示とはまったく次元が違います。
今はあらゆるものが商品化されます。売ること以外の基準はありません。
あのインテリアの醜さは相田みつをの書などの比ではありません。
「醜悪」という以前の、ある種の人間の持つ悪魔性すら感じます。