2018年11月20日

引きこもりの外出、または親切な人たち


先週あたりから徐々に外に出るようになった。といっても、主に必要に迫られて医者に行く程度だが。

昨日は先ず自転車で20分ほどのヤマダ電機へ。先日の新宿の量販店とは違い、
店内は静かで、広いフロアにもレジカウンターにも、客の姿は見えなかった。
わたしはDVD+R / DVD-Rの違いや、屋外で音楽を聴く装置について店員と30分ほど話した。空いていることもあり、店員は終始丁寧に説明してくれた。
DVD±Rと、スピンドルに入っているディスクを収納するケースを買って外に出た。
酒を買いたいと思い、食材を扱っているような店に入った。第一候補のグランマルニエはおいてなかったが、その次に求めていたコアントローが、有名な(?)酒の安売りの店と同じ価格で買えた。
レジで40代くらいの店員に、「ここはスーパーのようにも見えませんが、お酒安いですね」と話しかけると、この店は主に業者が利用する店で、大量に仕入れていく客が多いんですよと答えてくれた。
コアントローは、以前有楽町駅前の外国人記者クラブのレストラン兼バーでアルバイトをしていた時、たまたまバーカウンターにいたときに、傍でひとりで飲んでいた老紳士に、「香りがいいから、ひとくち飲んでみなさい」と勧められたものだ。
年配の男性がバーのカウンターでひとりで寡黙に飲んでいる佇まいの良さを感じた。

その後いったん家に帰り、休む間もなく、今度は全く反対の方向の眼科に行って検査をした。検眼をし、目の奥の写真を撮る女性のスタッフも、いつものように笑顔で感じがいい。
診察が終わり、会計を済ませ処方箋を受け取る。次は髪を切りに行きつけのカットの店へ。ここも今日はめずらしく空いている。いつもの人を指名してカットを頼む。伸びきった髪がバサバサと床にこぼれていく。「あ、襟足のところ、もう心持ち短く。ココロモチがココロモチじゃなくなっても構いませんから(笑)」などと注文を付けても「ハーイ」といってチャカチャカと鋏を動かしてくれる。
店を出ると雨が降っていて、外はもう暗くなっていた。

量販店の販売員も、プロの食材の店の店員も、眼科のスタッフも、美容師も、誰もが親切に見えた。世の中には、仮にこの日本と言えども、まだ親切な人はいるのかもしれない。
きっとわたしが考えている以上に。
けれども、あちこちいって、店員や医者や美容師と話した疲れのせいではなく、わたしの厭世観は目減りするどころか水位が上昇していた。

わたしに対し親切でないのは、寧ろ攻撃的でさえあるのは、店に売られている見慣れぬ聞き慣れぬ「新製品」。眼科や美容室の待合室でプラスティックの板に釘付けになっている善男善女たち。

静かで空いている店、親切な応対、安い商品・・・それらもわたしにはあまり良薬には成らなかったようだ・・・


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