2018年11月15日

人は如何にしてトラヴィスになるのか?


約1年ぶりに、新宿歌舞伎町のTSUTAYAにビデオを借りに行ってきた。
もちろん割引クーポンを提示する「携帯用端末」はない。パソコンに送られてきたクーポンメールを近所のコンビニでプリントアウトする。1枚20円。

厭世観、厭離穢土の思いは、いや増して強まってゆく。

どうしても、スマホ馬鹿たちと反りが合わない。奴らを見ていると「殺意」すら湧いてくる。
いったい彼らは駅で、電車内で、何を見ているのだろうという疑問を消すことができない。

何が厭と言って、皆がみな揃って同じ事をしているのを見るほど嘔気を催すものはない。
何故「例外」というものが(ほとんど)いないのだろう?
そして、こういう光景を心底不気味だと感じる者が皆無と言っていいのは何故だろう?
誇張ではなく、ホームで、車内で、アホ面をしてスマホを眺めている奴らを見ていると、身体の髄から暴力的な衝動が湧き上がってくる。
何故か?わたしはアンチ・ファシストだから。知的障害者ではない、正真正銘掛け値ナシのバカが大嫌いだから。

再度繰り返すが、ファシズム=全体主義とは例外のいない(いてもごく僅か)ことであり、ひとつのメインストリーム、主流をなす文化の在り方に異を唱える者が限りなくゼロに近いことだ。

人がみな
同じ方向に歩いてゆく
それを横目で見ているこころ (啄木)



わたしは騒音に敏感だが、特別に過敏な訳でも、ましてや繊細過ぎるというようなことはない。
新宿の量販店の店内、店頭のやかましさに平気でいられるという方がおかしいのだ。

わたしはどこかで、何らかの事情で外に出られない人を、平気で「新宿ビックロ」で買い物ができる人よりも「マトモ」だと思っている。
さらにそれを推し進め、極端な言い方をするなら、現代社会で、心を病んでいない方がおかしいとさえ思っている。だからわたしは、どこかで、病んだ人たちに対して、Stay! Just a little bit longer... 「もう少しそのままで」という気持ちがある。
けれども彼らは現実に苦しんでいる。
「あなたたちは一般の鈍感な人たちよりも高貴な、上位の存在なのだから、そのままでいてください」とは言えない。どうかそのまま苦しみ続けてくださいと誰が言えよう・・・

「人生生きるに価するか?」という昔ながらの抽象的な哲学的命題に対しては、「価すると思う人には価するし、そう思わない人には生きるに価しないもの」としか答えることができない。
けれども、個人的には、具体的で特定し得る場所、即ち現代の日本、特に東京は、生きるに価するどころではないとすら感じている。
そんな中で、この都市で心を病んだ人たちが、少しでも「良くなること」「苦しみが軽減されること」を願う。そこに大きなジレンマとアイロニーが存在する。
何故なら、誰もが笑顔でハッピーな世の中、そんな世界を思い描いただけでもゾッとするからだ。わたしはとてもそんな世界に生きることは出来ない。悩みもなく、悲しみもなく、血の滴る傷口もなく、深い嘆息もこぼれる涙もない世界が、わたしの口癖である「厭離穢土」に続く「欣求浄土」であるというなら、そこは決してわたしの浄土ではない。というより、わたしはこの穢土を厭い、そこから立ち去りたいとは思っているが、「浄土」など求めてはいない。



わたしは歩きながらスマホを眺めているおバカさんに足を引っかけて、その手に持っているモノもろとも地面に叩き付けたい衝動にいつもかられる。そしてホームレスとすれ違えば、自然と会釈をしてしまう。なんでそのような野蛮なことを考えるのかと訊かれて、わたしが言えるのは、「どうしても前者を「人間」乃至「生命活動・感情を伴った内面を持った動物」であると感じられないから」

外界の呪わしい騒音は何とか工夫して防ぐことはできても、目隠しをして外に出ることはできない。プリーモ・レーヴィの言った文脈からは全く離れて、「人間であることの恥」ということをつくづくと感じる。

わたしがある種神格化し、偶像化してる人たち。彼らはみなわたしの理想である人間像=力弱き存在から一日も早く抜け出したいと願い日々格闘している。彼らをそのようにあらしめている何かと。

繰り返し問う。

現代日本に於いて、「平気でいられること」「外に出られること」「健康であること」「仕事ができること」そして「幸福であること」とは、果たしてどういうことか?


"We don't even ask happiness, just a little less pain" 
- Charles Bukowski.

「幸福をと願っているのではない。ただ、苦しみを減らして欲しいだけなのだ」
ーチャールズ・ブコウスキー


わたしは「彼らの幸福」を願わない。願うことはできない。ただ、彼らに日々の安息をと願うだけだ。



 


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