2019年5月24日

或る狂人の述懐(ふたつさん、Junkoさん、底彦さんのコメントに触れて…)その2「底彦さん」


「断想」に寄せられた3人のコメントへ、まともな返事を書くことができないので、
彼らの言葉にかこつけて、「いつものように」自分の思いを綴ります。



底彦さん。

正直なにを書いても底彦さんにとっては、悪影響しか与えないだろうという懸念があります。ですから、これは、「底彦さんへの返事」ではありませんので、無理して読む必要はありません。これは責任逃れの言い訳ではありません。今のわたしは、母さえも認めるように、明らかに「悪く」なっている。そんな人間の言葉を読むことは、何の益ももたらさないということです。

先程最新の投稿に、ふたつさんの冴えわたるコメントと、それに続いて、瀬里香さんから親切な言葉を掛けてもらいました。
人間て、こんな些細なやさしさで、少し元気が出たりする。自分にも味方がいると思うことで、厭世観にまみれた世界が、ほんの少し違って見えたりする。現金なものですね。


>その苦しみをどれだけ私が想像できているのか, もしかしたらまったくわかっていないのかも知れません. けれども, 私は Takeo さんの文章や, ブログに載せられた絵や写真や引用, そしてもう一つのブログの絵画などを受け取ることはできていると思います.そういうものに, 私は揺さぶられたのです. 不安や無気力・無感動の中にあるときに, 恐怖や怯え, 悲しみではない心の動きを与えてもらっているのです.

前に底彦さんに同じことを訊いて、答えをもらったと思いますが、忘れてしまいましたのでもう一度お聞きします。

「働いてお金を稼ぐ」ということに限定せずとも、何らかの形での「社会への復帰」を目標としているように見える底彦さんにとって、社会や世界を「敵」と見做しているわたしの書く物に惹かれるということがわかりません。
勿論、人間の気持ちなんて、そう簡単に白黒をつけられるものではありません。
「社会復帰を目指している底彦さん」などと気軽に安直に言われたくないよ。というのが本音でしょう。それよりもさらに大きな葛藤の渦の中でもがいていることは、ブログを読めば、わたしに下さるコメントを読めば、すぐにわかることです。

けれども、いかに底彦さんの内面に、アンビバレントな感情がせめぎ合っていて、このようなブログにすら、ある種の共感を覚えていたとしても、それは「これまで」のこと。
ここから先は明らかに危険領域であるとわたしには思えてなりません・・・

今のわたしは、ああ、人はこんな風にして(自ら)死んでいくのか・・・という気持ちに浸っています。大学時代にロマン派風の詩を盛んに書き、その中に頻出する「甘美なる死」という言葉が、今再び永い眠りから覚めてきたようでもあります。

>Takeo さんも休んでください.

ありがとうございます。でもわたしには「休む場所」はないのです。

50年代初頭でしょうか、ジ・オリオールズというドゥー・ワップグループが歌い、その後エルヴィスの歌で有名になった曲に「クライイング・イン・ザ・チャペル」という歌があります。ふたつさんのほうがより詳しいでしょうが。

その中の歌詞に昔から反応していました。

特にこの部分

I've searched and I've searched
But I couldn't find
No way on earth
To gain peace of mind...


何処を探し求めても見出すことのできなかった心の安息。

「それを今この教会で、神の前に額づくことで初めて知った」と続きます。

しかし二階堂奥歯がそうであったように、わたしは神には縋れない。

わたしの大好きな映画、マイケル=ウィンターボトム監督の『バタフライ・キス』で、主人公のユーニスは叫びます「神はわたしを忘れている!」

そして彼女の、親友への最後の頼みは「私を殺して」でした。
親友は親友であるがゆえに、忠実に、彼女とともに海に入り、彼女を沈めます。
苦しくて浮き上がってくるとまた沈めます。息絶えるまで。

もし殺せないのなら、たぶんその人は親友ではない、というのがわたしの気持ちです。

似たような映画としては、『裁きは終わりぬ』(古いフランス映画です)そして『空を飛ぶ夢』という名作があります。

最後に、Myspace時代に見つけたビデオで、サム・クックの「ア・チェンジ・イズ・ゴナ・カム」をアル・グリーンがカバーしています。

サムやアル、そしてエルヴィスのような「本物」はもう二度と出てこない。
そんな時代にわたしたちは生きています。

底彦さん、そしてふたつさんへ贈ります。これが今のわたしの気持ちです・・・




わたしにはどうしても「ハレルヤ」が言えません。







3 件のコメント:

  1. こんばんは。

    底彦さんを差し置いて、コメントを入れるのもどうかと思いましたが、アル・グリーンは好きなシンガーなので、我慢できませんでした。
    底彦さん、ごめんなさい。

    この曲を、送っていただいたお礼と言ってはなんですが、ぼくからも「God bress our Love」と言う曲を送らせていただきます。
    アル・グリーンも歌っていますし、OV・ライトも歌っています。
    (アル・グリーンのはYouTubeにある「ソウル・トレイン」のミニライブがいですよ)
    オリジナルは、たぶん、Charls Brimmerと言う無名の人です。
    でも、OVやアル・グリーンのようなスケールの大きなシンガーと比べても全く遜色ない出来ですよ。
    でも、Takeoさんには、バラッズのバージョンの方がいいかもしれません。
    (同名異曲と言ってもいいと思いますが、こちらの方が古いかもしれません)

    あとは、「change is gonna come」ですが、アーロン・ネヴィルのバージョンが、とてもやさしいですよ。
    底彦さんにも、ぜひ聞いてほしいですねぇ。

    Takeoさんが、「おススメ嫌い」なのはわかってますので、いつか機会があったらということで。

    では、また。

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    1. こんばんは, Takeo さん, ふたつさん.

      アル・グリーンの "A Change Is Gonna Come" を聴きました. また, ふたつさんが述べていた "God Blessed Our Love" もアル・グリーンとチャールズ・ブリマーのバージョンを聴いてみました.

      "A Change Is Gonna Come" には, 混乱の中の希望のようなものを感じます. Takeo さんが「どうしてもハレルヤを言えない」と書いていますが, bad change でないことを望みます.
      "God Blessed Our Love" には弱った自分が強く抱き締められるようでした. 無条件の強い抱擁で安心できるような...
      アル・グリーンという人は凄いシンガーですね (ごめんなさい. 私はブルースはまったく聴いたことが無く, 体調不良で音楽もうまく聴けないのです).

      以前ふたつさんが書いていた, ブルースに関する文章は記憶に残っています. 幸い YouTube にたくさんのブルースの曲がアップロードされているので, この文章を書く傍ら流しています. ふたつさんや Takeo さんの文章を思いながら聴くと安易に流すのも難しいですが...

      > けれども、いかに底彦さんの内面に、アンビバレントな感情がせめぎ合っていて、このようなブログにすら、ある種の共感を覚えていたとしても、それは「これまで」のこと。
      > ここから先は明らかに危険領域であるとわたしには思えてなりません・・・

      私にとって, 危険なものは病による希死念慮だと言っていいと思います. 死ぬのが怖いとか生きていたいとかの以前に, あののっぺら坊な感覚は嫌なものです. その気配が Takeo さんのブログから感じられるようならば, 私は近寄れなくなるでしょう.

      現在の私は, Takeo さんが苦しみの中で紡いだ文章や見出だした絵画に惹き付けられています. 美しい文章だと思いますし, 美しい絵画だと思います. 特に Takeo さんが選ぶ絵画は, 鬱で行き場の無い私の不安や恐怖を安心させてくれる静かな力があるように感じています. 絵の美醜を言っているのではありません.

      これは完全に自己中心的な物言いで申し訳なく思いますが, 此処は安心できる場所なのです. それでも危険だからという理由で去るべきでしょうか.

      Takeo さん自身が死に向かう苦痛しか無いような中にあるのは, 私にはどうにもしようがありません. でも, あなたの文章や絵が一人の病人の心に平安を与えていることは伝えさせてください.

      Takeo さんの心が少しでも休息できるよう祈っております.

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  2. こんばんは、ふたつさん、底彦さん。

    最初にお断りしておかなければならないのは、今のわたしは、短い文章を書くことができません。自分の投稿で、数行の感想を書くことはありますが、頂いたコメントに対しては、どうしても掘り下げて書いてしまう傾向がある。けれども今のわたしにはそのような気力も体力もありません。

    言い逃げのようで申し訳ありませんが、どうかご理解ください。



    ふたつさん

    確かに紹介されることが苦手だし、しばしば読みに行く人のブログにビデオが貼ってあっても、観たことがありません。なんだかそれについて感想を言わなければならないという「義務感」のようなものが苦手なのと、興味のないものには目もくれないというわたしの性格からです。
    アル・グリーンやO.V.ライトなどはもともとが好きなので、貼ってくれれば見ます。
    しかし同じHIのシンガーでありながら、このふたりは対極にいるような気がします。
    アル・グリーンは優しさを感じますが、O.Vからはただ凄みしか感じません。
    わたしはHIのシンガーたちのCDを持っています。アル・グリーン、O.V.ライト、オーティス・クレイ、ドン・ブライアント、アン・ピープルズ・・・その代り、スタックスのシンガーのCDは1枚も持っていません。別にHIの方が好きというわけではないのですが。
    前にも言いましたがドゥー・ワップのCD&LPは山ほど持っています(笑)

    アーロン・ネヴィルも好きなシンガーです。彼はなんというか、ソウルを超えたポピュラー・シンガーという気がします。ジョニー・エイスのカバーなど、いいですけどね。

    今度CD送ってくださいね。



    底彦さん

    危険か危険でないかは底彦さん自身が決めることです。わたしは単に、「鬱の人が自殺のことばかり書かれているブログを読むことは危険」というステレオタイプの考え方をしてるだけかもしれません。

    わたしはアルの絶叫に、やり場のない悲しみを感じました。
    そこに「希望」が見えるという底彦さんはやはり徐々にではあっても確実に良くなっているのではないかと思うのです。

    ブログに関しては底彦さんが好きなだけ読んだり観たりしてください。
    何しろ特にあちらのブログにはここからしか訪問者がいないもので(笑)

    ブログの方向性もなんだか曖昧ですが10にひとつでも気に入った絵が見つかればラッキー。
    そんなものだと思います。
    わたしが敬愛するドロローサのブログにしてもそんなもんです。

    今日は気軽な返事になってしまいました。

    ふたつさんとはブラック・ミュージックについて、底彦さんとは、心を病むとはどういうことか、そんなことで話したいことはいくらでもあるのですが・・・

    簡素な返信、ご容赦ください。

    ふたつさん、曲の紹介ありがとうございました。

    底彦さんも優れぬ体調の中、いつものように中身のある長文のコメントをありがとうございました。

    それからここはみんなの場でもあるので、誰でもどこへでも書きたいときに書きたいことを書いてください。訪問者同士の会話も歓迎します。

    意識して「居心地のいい場所」を作れませんが、皆がそれぞれに、そう思ってくれているということをうれしく思っています。

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