2021年3月27日

銅像の立場

Not looking back. The two Ilyich, 1981
 
今から40年前、1981年ソビエト連邦党大会でレーニンの写真を背にして演説するブレジネフ書記長。
Two Ilyich, というのは、ウラジミール・イリイチ・レーニン、そしてレオニード・イリイチ・ブレジネフのことを指すのだろう。
 
それにしてもこのレーニンの肖像、随分厳(いかめ)しいな。
 
 
 
レーニンは
自分の銅像が倒されてほっとしている
本当は半世紀も前から
赤の広場で寝そべりながら
ビーチボーイズを聴いていたかったんだ
天気の良い日曜の午後になんか
もちろん家族や 親しい友人たちと一緒にね
でもそんなことは誰にも打ち明けられないから
銅像のままつっ立ってたよ
だがねえ 銅像の身にもなっておくれよ
ただ突っ立って歴史を眺めているだけでも
けっこう体にこたえるものだよ
 
田口犬詩集『ハッシャ・バイ』中「偉人伝」より、レーニン
 
 
なるほど、それでフィデルは自分の死後、銅像の類は一切建てるべからずと言い残したんだな 
 
雨の日も、風の日も、ジリジリと照りつける真夏の太陽の下でも、「偉人の銅像」と讃えられてる一介の歩哨はつらいからな。



 
 
 
 


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