なんにもない なんにもない
まったくなんにもない
うまれた うまれた なにがうまれた
ほしがひとつ くらいうちゅうに
うまれた
ほしには よるがあり
そして あさがおとずれた
なんにもないだいちに
ただかぜが ふいてた
これは園山俊二原作の『はじめ人間ギャートルズ』という、昔テレビで放映されていたアニメーションのエンディング・テーマだ。
16か17歳の頃、高校の世界史のノートの最後のページに、当時買ったジョン・レノンの「イマジン」のドーナツ盤の歌詞カードに書かれていた詞を鉛筆で書き写した。
彼の言葉に、メッセージに、こころから共感していた。
そして、この「ギャートルズ」のエンディング・テーマは、ジョンのイマジン以上に、いまのわたしのこころに深くふかく沁みわたる。
ひとりぼっちのへやで、この歌をなんべんもなんべんも、繰り返し、つぶやくようにうたってみる。
胸が熱くなり、あたたかい涙が流れてくる。
「神」や「国」、「文明」や「文化」という概念すらなく、「戦争」「平和」「善」「悪」「貧」「富」、そして「美」と「醜」、もちろん「飢え」も「心の病」も「差別」も「偏見」ない世界・・・劫初の光と風だけが、大地のうえをただしずかにながれている世界・・・
ナンニモナイダイチニ タダ カゼガ フイテタ・・・
これはわたしのもう一つの「イマジン」だ。
*2022年1月14日、「岩波ホール3月に閉館」の報に接した夜に記す
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