2020年3月5日

治癒ということ2


自然治癒以外の、人間の手による病気の治療とは、ことによると、生にとって有害なある病気を薬物その他の手段によって、相対的に有害度の低い「別の病気」に変換しようとする試みに過ぎないのかもしれないのだ。それが医学にとって、医師にとって、いかにその自尊心を傷つける洞察であろうとも、私たちはそこから目を逸らしてはならないだろう。

ー木村敏『心の病理を考える』(Ⅳ 生命論と精神病理学)(1994年)より






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