2021年12月3日

侏儒の言葉

「わたしは度たび他人のことを「死ねば善い」と思ったものである。しかもその又他人の中には肉親さえ交っていなかったことはない。」

芥川龍之介「侏儒の言葉」より。

仮にだれかがわたしに「あなたには誰か、「殺したい」と思っている人がいますか?」と訊ねられれば、わたしは「もちろんです」と答えることに躊躇しないだろう。

誰が殺したいものを持たずにいられるだろうか。

辺見庸のことばを思い出す。

「・・・わたしは、殺したことの非道を反省し悔いているのではなく、殺したことへの他からの非難、譴責、追跡、逮捕、処罰の可能性に怯えているのである・・・」

再び芥川の言葉、

「決して罰せられぬと神々でも保証すれば別問題である」

むろんである。








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